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施工性と信頼性を両立する次世代の締結ソリューション
建設現場において、接合部の信頼性と施工の効率化は、常に両立が求められるテーマです。とくに高力ボルトを用いた鋼構造物の接合では、厳密なトルク管理や作業スペースの制約が課題となることがあります。こうした現場の声に応える製品の一つが、「ハック高力ワンサイドボルト」です。
第一ボールト株式会社では、このハック高力ワンサイドボルトを常時在庫し、販売することで納期・品質ともに高い評価をいただいています。本コラムでは、当製品の特長・構造・施工メリット・採用事例などをご紹介いたします。
ハック高力ワンサイドボルトとは?
「ハック高力ワンサイドボルト」とは、アメリカの企業が開発した新しい締結システムで、特殊工具を使って片側から施工できる高力ボルト(ハイテンションボルト)のことです。日本では「ワンサイドボルト」や「片側施工高力ボルト」とも呼ばれ、主にスペースの限られた現場や高所・危険区域での作業効率向上を目的に導入が進んでいます。
ワンサイドボルトは、施工時にボルト頭側へのアクセスが不要で、ナット側のみで軸力管理・締結が完結します。これにより、従来の高力ボルト施工に比べて作業時間を大幅に短縮できるという特長があります。
製品構造と締結原理
ハック高力ワンサイドボルトは、以下の部品で構成されています。
1. ピン
2. スリーブ(バルブスリーブ、グリップスリーブ)
3. ワッシャー(シャーワッシャー、ワッシャー)
4. ナット

専用の電動シャーレンチにより、ピンが引き上げられ、部材裏面でバルブスリーブが変形・圧着し、締結完了と同時にピン先端が切断され、摩擦接合が形成されます。そのため、施工完了の目視確認が容易で、締結品質のバラツキも抑制できます。
→ハック高力ワンサイドボルトの部品構成や締結方法を確認するなら、コチラ
一般的な高力ボルトとの違い
特徴 | 一般的な高力ボルト(F10Tなど) | ハック高力ワンサイドボルト |
---|---|---|
締結方法 | 両側からトルクレンチで締付け | 片側から専用工具で施工 |
作業場所 | ナットを締めるスペース必要 | 裏側に手が入らない場所でも施工可能 |
施工スピード | 比較的時間がかかる | 専用工具を用い、約40秒で締結可能 |
締結確認 | トルク・回転角管理 | ピン切断による目視確認 |
認定 | JIS、国土交通大臣認定 | 国土交通大臣認定 |
施工メリット:安全・スピード・品質の三拍子
① 省人化・施工スピードの向上
ボルト頭側に回り込む必要がないため、狭所・高所作業での安全性が向上します。また、従来2人作業が必要だった工程も1人で完結できるため、省人化にも貢献します。
② 高い締結品質と確実な管理
締結後、ピンが自動的に切断される仕組みにより、誰が施工しても一定の締結品質が確保できます。熟練度に左右されにくく、施工記録の管理やトレーサビリティにも優れています。
③ 騒音・振動の軽減
トルクレンチの使用による振動や騒音が発生しないため、騒音対策が必要な都市部の現場や夜間工事にも適応可能です。
採用事例・使用実績
ハック高力ワンサイドボルトは、以下のような現場で採用されています。
- ・ 橋梁の耐震性向上の補修工事における狭隘部締結
- ・ トンネル内や地下空間での設備架台の施工
- ・ プラントや工場内の溶接が出来ない箇所(火気厳禁の場所)
在庫・納品体制について
第一ボールト株式会社では、ハック高力ワンサイドボルトをサイズ別に常時在庫し、即納対応しております。ただし、数量が多い場合には事前にご連絡頂く必要があります。
・ サイズ : MUTF20、 MUTF24、MUTF27(受注生産)
第一ボールト株式会社では、専用工具のレンタル・販売にも対応しております。
また、納品前の検査・トレーサビリティ資料もご提供可能です。
まとめ:次世代のボルト締結が現場を変える
ハック高力ワンサイドボルトは、これまでの常識を覆す、「早く・安全で・確実」な施工を可能にする革新的なボルト締結方式です。とくに人手不足や施工時間短縮が求められる現場において、その価値は年々高まっています。
第一ボールト株式会社では、施工現場のニーズに即した提案と、確実な納期対応により、より良い建設環境づくりをサポートしてまいります。
ご質問やお見積もり依頼は、お気軽にお問い合わせください。