ねじ専門用語集
複雑な形状をしたねじ部の強度を円柱に置き換えて評価する場合の断面積。呼び径とピッチから計算できる。
変形しにくさを表す。金属材料の場合、変形が小さい範囲では応力とひずみが比例するという「フックの法則」が成立します。その比例定数がヤング率です。炭素鋼系の材料では200GPa程度の値です。オーステナイト系ステンレス鋼の値はそれよりやや小さいですが、大差はありません。
ヤング率は面に垂直な荷重を受けたときの伸びやすさ/縮みやすさを表します。一方、棒にねじりを与えた場合も含めて、面に沿った荷重に対する応力をせん断応力と呼びます。せん断応力はせん断荷重によって発生するせん断ひずみ(面の傾き角度)に比例します。その場合の比例定数が横弾性定数です。それに対応してヤング率を縦弾性係数と呼ぶこともあります。
力学特性を表す定数の代表であるヤング率に対して、熱特性を表す定数の代表として線膨張係数と熱伝導率があります。熱膨張係数は、1度の温度変化(温度差)に対して発生するひずみの大きさを表し、伸びやすさ/縮みやすさを示す定数です。長さ1メートルの炭素鋼製の丸棒の温度が100度上昇すると、約1.2mm伸びます。それに対して、常温に近い領域におけるオーステナイト系ステンレス鋼の線膨張係数は約1.5倍、アルミニウム合金は約2倍、チタン/チタン合金は75%程度です。
一方、熱伝導率は熱の流れやすさを表す材料定数です。常温付近では炭素鋼に対してステンレス鋼の熱伝導率は約3分の1、アルミニウム合金は約2.5倍、チタンは40%程度、チタン合金は非常に小さく17%程度です。材料の表面を加熱したとき、熱伝導率が高いと物体内部に熱が流れ込みやすいので表面温度は上がりませんが、反対に低いと熱の流れが妨げられ、表面温度が高くなるので注意が必要です。
10.9という小数点付きの数字によって2種類の強さを表しています。整数部分の10を100倍するとそのねじの引張強さとなります。この場合は、1000MPa(メガパスカル)です。その値に小数点以下の0.9をかけた値が降伏応力を表し、ここでは900MPaとなります。
F=kxで表され、軸力(F)は変形量(x)に比例して、その比例定数(k)が剛性です。剛性が高い(硬い)材料は、同じ軸力(F)が加わっても、変形量(x)は小さくなります。ボルトや締結部品の剛性が高いほどわずかな伸びで大きな軸力が得られます。
材料が軟鋼の場合は、4.6や4.8という数字になります。この2つの材料の引張強さは同じですが、降伏応力はそれぞれ240と320MPa(メガパスカル)となり、後者の方が塑性変形しにくいことがわかります。
摩擦係数(μ)は摩擦力(F)を垂直抗力(N)で割ることで算出されます。ねじの摩擦係数は通常、無潤滑でμ=0.2~0.3、油潤滑でμ=0.1程度です。