ねじのトラブル対策Q&A
第7回|トルク法以外の選択肢~油圧テンショナ・ボルトヒータ・回転角法
Q1.なぜ、トルクレンチ以外の締付け方法が必要なのですか?
トルク法は非常に便利な締付け法ですが、摩擦の影響を受けるため、軸力にばらつきが生じます。より高い締付精度が求められる設備や大型ボルトでは、別の締付け方法が採用されることがあります。
Q2.油圧テンショナとは、どのような工具ですか?
油圧テンショナは、油圧の力でボルトを直接引き伸ばし、その状態でナットを締める工具(張力法)です。摩擦係数の影響を受けにくいため、高い精度で軸力を管理できるのが特徴です。
Q3.ボルトヒータは、どのような仕組みなのですか?
呼び径が非常に大きく、張力法が適用できない大型ボルトには、ボルトヒータと呼ばれる細いロッド形状の工具を中空に加工したボルトに挿入し、加熱して一時的に伸ばし、その状態でナットを締め付けて軸力を発生させる熱膨張法という締め付け法があります。ボルトが冷却されて元の長さに戻ろうとするときに発生する収縮を利用して、必要な軸力を得ます。
Q4.回転角法とは、どのような締付け方法ですか?
回転角法は、ねじ面やナット座面が密着するレベルのトルクを与えて初期締付けを行った後、ナットやボルトを決められた角度だけ回転させて目標軸力を得る方法です。摩擦の影響を受けにくく、比較的安定した軸力を得やすいという特徴があります。
第一ボールト(仲介人)からの一言
「どの締付け方法を選べばよいですか?」という相談をよく受けます。トルク法と異なり、張力法、熱膨張法、回転角法の締め付け過程はいずれもボルト締結部の剛性に大きく影響されます。必要な軸力精度、ボルトサイズ、作業環境、コストなどによって最適な方法は異なるため、「どの方法が優れているか」ではなく、「どの方法が用途に適しているか」を考えることが大切です。
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