ねじのトラブル対策Q&A
第5回|ねじ締付けの基本と締付け方法
Q1.ねじの締付け方法には、どのような種類があるのですか?
代表的なのは、トルク値で管理する「トルク法」です。そのほか、回転角で管理する方法や、油圧テンショナ・ボルトヒーターを使う方法もあります。用途や必要精度によって使い分けられています。
Q2.なぜ、締付け方法によって軸力が変わるのですか?
同じトルクでも、摩擦条件や工具の違いによって得られる軸力は変わります。そのため、締付け方法が変わると、締結状態も変化します。締付けは「力をかける作業」ではなく、「軸力を作る作業」と考えることが重要です。
Q3.トルクレンチを使えば、安心と言えるのでしょうか?
トルクレンチは有効な管理工具ですが、摩擦係数のばらつきまでは補正できません。また、工具の精度管理や使い方によっても結果は変わります。工具だけでなく、締結条件全体を見ることが大切です。
Q4.油圧テンショナやボルトヒータは、どんな場面で使われるのですか?
大型設備や高軸力が必要な場面では、油圧テンショナやボルトヒーターが使われます。両者ともにトルク法に比べて作業は複雑ですが、摩擦の影響を受けにくく締め付け精度は向上し、軸力を安定させやすいという特徴があります。
Q5.設計や現場では、締付け方法をどう選べばよいのでしょうか?
必要な軸力精度、作業性、現場環境などを総合的に考えて選定します。高精度だけを求めると、作業負担やコストが増える場合もあります。大きなねじの締結には動力式トルクレンチが広く使われています。さらに大きなねじになると、張力法か熱膨張法を使うことになります。締め付け精度が一番高いのは張力法ですが、グリップ長さが小さい部分や剛性評価が困難なガスケットなどが挿入された締結部では本来の性能を発揮できないというデメリットがあるので注意が必要です。
第一ボールト(仲介人)からの一言
私たちのもとには、「図面通りに締めているのに不安が残る」という相談がよくあります。その多くは、締付け方法と現場条件が十分に整理されていないケースです。ねじだけでなく、「どう締めるか」まで含めて考えることで、安心につながることがあります。
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