ねじのトラブル対策Q&A
第12回|ねじのゆるみと防止策
Q1.ナットが回転していないのに、ボルト軸力が低下することはありますか?
あります。これは「非回転ゆるみ」と呼ばれ、主に熱負荷によって軸力が低下する現象です。また、締付け後、接触面の微小な凹凸が塑性変形してつぶれることで、ボルトの伸びが減少し、ナットが回転していなくても軸力が低下することがあります。
Q2.ねじのゆるみには、どのような種類があるのでしょうか?
大きくは、ナットが回転せず軸力が低下する「非回転ゆるみ」と、振動などによってナットが戻り回転する「回転ゆるみ」に分けられます。回転ゆるみは直ちに致命的な事故につながるケースが多いですが、非回転ゆるみも疲労破壊の原因となるので大変危険です。
Q3.ねじのゆるみはどのような締結部で発生しやすいですか?
繰り返し荷重を受ける締結部で発生しやすいです。繰返しねじ面や座面ですべりが発生すると、ナットやボルトが少しずつ戻り回転することがあります。特に軸直角方向の繰返し荷重は、大きなゆるみにつながるため注意が必要です。
Q4.ねじのゆるみを防ぐには、ゆるみ止め部品を使えばよいのでしょうか?
ゆるみ止めナットや座金などは有効な選択肢ですが、万能ではありません。回転ゆるみは、ゆるみ止め機能付きのねじ部品を使用してかなり防げるようになりますが、一方、非回転ゆるみは程度の差があっても必ず発生します。その最大の原因は、締結部の各接触面において、表面突起の塑性変形が進行する「へたり」と呼ばれる現象です。残念ながら、へたり量を精度よく予測し非回転ゆるみを未然に防ぐことは困難といえます。
第一ボールト(仲介人)からの一言
私たちのもとには、「締め付けに問題がないのに、ゆるんだ」「ゆるみ止め部品を使いたい」というご相談をいただくことがあります。しかし、対策を決める前に大切なのは、なぜゆるんだのかを知ることです。回転ゆるみか非回転ゆるみか、ねじ、締付け方法、被締結体、振動や外力などを一つずつ整理していくと、原因が見えてくることがあります。
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